マシンはやっぱりエレクトラのセミオート

お店の計画は具体的でないと見るほうにしてみればおもしろくも何ともないだろう。ただコンセプトを明確にというか、たとえ明確ではなくても、そのスタンスの中心軸がゆるがないようなところまで持ってきておかないと、ほんとうに夢物語で終わってしまう。だから、そのあたりをしっかりさせるまでにちょっと時間がかかったかなと思う。でももう大丈夫。中心軸はほぼ立ち上がったみたい。つまり極北と現実のあいだの着地点をどうやって決めるかという作業だ。ここであえて脱線してみよう。あまりに用意周到だと面白みがなくなるからだ。本道からはずれて道草を食う。これが楽しい(笑)そして意外とそれが本道になったりする。というかあとから考えたらそれがもともと本道だったということもある。そういう意味でもしばらく枝葉末節のこととわかったうえで楽しい部分をふくらませていこうと思う。
まず気になるエスプレッソ・コーヒー。以前マシンのことやスペシャルティコーヒーの話をした。基本的にそのあたりの変更は今のところ考えてはいない。ただ、マシンのグレードとしては、やはり理想の最上級クラスを取り込んで、お店のシンボルにするという手もある。

これはエレクトラの業務用エスプレッソマシンの最上位機種、234万円。現実的な話になると、これを入れるには他の要素をかなり殺ぎ落とさなければいけない。するとやっぱり38万5千円のこれ

ということになる。値段が6倍するからといって6倍美味いかというと、たぶんそんなことはないだろう。たとえばJBLが新たに出したリファレンススピーカーProject EVEREST DD66000 は1本300万円。スピーカーだから最低2本はいるので600万円はする。このあいだ私が事務所用に買ったスピーカーだったら30本買える。かといって30倍いい音がするかというと、おそらくそうではないだろう。30倍のいい音となると本物よりいいということになる。まあ、せいぜい3倍といったところか。そりゃあマニアだったらそのあたりの差は歴然とわかるのだろうが、少なくとも私は今のスピーカーでおつりが来るぐらい満足している。たぶんエスプレッソマシンの6倍の価格差は、普通の人間が飲んでわかるような差はないだろう。そして究極のコーヒーを飲むことがこのカフェの目的ではないのだから、やっぱり当初のマシンがいいと思う。マシンの価格差よりも、豆の質や取り扱いや抽出のしかたの技術で差が出てくると思う。これはこれから研究しなければいけない。まずはもう一度エスプレッソの飲み歩きから始めよう。メニューの選択もなにもそれからだ。とはいっても長崎でまともなエスプレッソが飲めるところといえばスターバックス以外にどこがあるんだろ(笑)