コーヒーのことパンのこと

カフェ豆ちゃんが自信をもっておすすめするエスプレッソコーヒーは、おかげさまで「こんなに美味しいコーヒーはじめて!」とか「コーヒーの概念が変わりました」とか「今まで飲んでたコーヒーって何だったの」とまで言ってくださり、ほんとうにうれしい限りです。長崎は日本で最初にコーヒーが入った地で、つい最近までサイフォンやドリップのコーヒー店がほとんどでした。日本にもシアトル系の大型カフェが広まって、ここ長崎でもカフェラテを日常的に楽しまれる方が増えました。カフェ豆でも半分以上のオーダーがカフェラテです。ふつうのドリップ式コーヒーに近いアメリカーノは2割くらいです。私もシアトル系コーヒーを知るまではコーヒー自体が嫌いだったのです。あんな苦くて焦げ臭いだけの飲み物をよくまあ何杯も飲めるもんだと思っていました。ところがエスプレッソベースのラテやカプチーノに出会ってから「もしかしたらコーヒーって美味いんじゃないか」と思いはじめ、いろいろと自分なりに研究しました。デザイン事務所の経営のかたわら、家庭用マシンではありましたが、毎日毎日いろんな豆を試してみたりミルクの泡立て方を研究したり、フレーバーシロップというものがあることなど…で、お店によってエスプレッソにもかなり美味しさのレベルがあることがわかってきました。そして3年の月日を経て今のすばらしい豆、つまりラ・チンバリーでいれるスペシャルティコーヒーのエスプレッソに辿り着きました。カフェ豆でお出ししているコーヒー豆は世界最高水準の豆を日本のトップクラスの技術によって焙煎された豆だけをつかっています。私のようなペーペーが焙煎まで手を出すにはあまりに費用と手間と時間がかかりすぎるので、ここはプロ中のプロにお願いしています。そしてカフェ豆で扱う豆は、シアトル系大型カフェの豆とは原価が何倍も違うのです。これは個人店だからできることで、だからこそコーヒーの概念が変わるほどの香りや味の違いがあります。
で、今ちょっと考え中なのですが、じつはこのカフェ豆のコーヒーにさらに美味い豆があります。それはカップオブエクセレンスという国際的なコンテストに入賞した豆のことですが、これがまたびっくりするほど美味しい。日本酒で言えば季節限定特別純米大吟醸!ってなもんです。これはですね、飲んでみないとわからないですね。エスプレッソだからすごく濃いです。でも全然苦くない。ひとくち飲むと体中に深い香りがワ〜ッと染み渡る感じ。飲んだ後もずっとその余韻を楽しめますから、量は少しでも十分楽しめます。エスプレッソというのは本来そういう飲み物なんですね。この深みにはまると(笑)、そのへんのコーヒーがただの○○にしか思えない。「今までコーヒーと思って飲んでたのは何だったの?」という気持ちがわかると思います。でもそれなりに値段もするものだから、なかなかメニューに入れられないんです。つまり3口で飲み干してしまうエスプレッソ・ソロに800円も出してくれるコーヒーファンがどれだけいらっしゃるのかどうかということですいないだろうなあ〜(笑)。
じつは今出してるエスプレッソ・ドッピオの400円も破格なんです。でもエスプレッソ・ドッピオをオーダーされるお客様はコーヒーの味をよくご存知なので、損得抜きで出させていただいています。じつは「ドッピオお願いします」とオーダーされるとドキッとします。豆もさることながら、マシンの扱いも試されているような気がして身が引き締まります(笑)。豆の惹き具合やタンピングの強さで同じ豆でもずいぶん味が変わってきます。調子がいいと見るからに美味しそうなコーヒーがマシンから出てきます。悪いと上層に浮かぶキャラメル色の泡クレマもなんだか情けないです。その日のいろんな条件でコーヒーの出来不出来が決まります。シアトル系大型カフェで使われているもっとでっかいマシンは誰が使っても同じように出すことができますが、うちのような小さい店のマシンは使う人の腕にかかっています。1日に何百杯もつくる大型カフェとはちがって、一日数十杯をひとつづつていねいにつくっています。オーダーをいただいてから豆を挽いて、マシンにかけて、ミルクを計量して、スチームしてカップに注ぎます。ラテ2杯のオーダーでも一杯ずつはいった順にお客様にお出ししています。だから多少時間がかかることもあって、そんなときは私がひとりであせったりします(笑)。カフェ豆にいらっしゃるほとんどの方は、一分一秒を急いでいないのだから、そんなに慌てなくてもいいものを、慌てるんですなあ〜。お客様が多いときのアタフタモードを克服するにはもうしばらくかかりそうです。みなさんそれまで長〜い目で大目に見てやってくださ〜い。

おかげさまでランチは連日完売。このあいだからランチ以外のパンを頑張って焼いています、妻が(笑)。ランチのあとで焼く甘いパン。今日はシナモンレーズンロールのニューバージョンです。

以前はカスタードクリームを中に塗っていたのですが、今回はカスタードクリームなしで、クリームチーズをレモンの絞り汁で溶いて砂糖を混ぜ込んだものをアイシングしました。ちょっと甘いのでランチではなく、おやつとしてコーヒといっしょにどうぞ。
それからランチのパンにも新顔の黒ごまのパン。

これがけっこう人気でおかわりが集中しました。ごまは表面だけでなく、中にもたっぷり練り込んでます。このごろ週間ランチ情報を出していないのは、毎日かなり変則的にメニューを変えているからです。進化かどうかはわからないが常に変化するカフェ豆は、最高にカフェ豆らしいメニューに辿り着くまで、もうしばらく変化を続けるつもりです。どうかよろしくお願いします。