超満員のトークセッションでした。

さきほどカリー・マルケリンク氏と山本正興氏のトークセッションが終了し、大分、佐賀、福岡からかけつけていただいたお客様とともに楽しい打ち上げも終了しヨンエフへ帰ってきました。入場者37名、スタッフ8名ということでカフェ豆に45人が集まってのトークセッションでした。ありがとうございました。
写真の持つ表現力。芸術表現と社会の関係。個人が写真を通して社会に伝えることの可能性。そしてまた人間の愚かしさと、未来に託す希望のようなもの。そうしたことをもう一度考えさせられる、そしてなにかしら希望のようなものを感じることができました。福島原発事故をきっかけに、誰もがいろんなことを考えさせられている日々です。それでは今から私たちはどのようなスタンスで生きていけばいいのか、何か可能性があるのかどうかさえ、考えれば考えるほどネガティブな方向に向かわざるを得ない毎日です。カリー・マルケリンクさんは、これまで世界中の悲劇の舞台となった街を何度も訪れて、その世界のありようを、できるだけ冷静に写真におさめ、発表してきました。その作品からは、決して意図的なエモーションは感じられません。というより意識的にエモーショナルなものを削除しながら、世界中で犯してきた人間の行いをあらわにしてきました。それが何気ない街の風景であったとしても、そこには原爆投下や原発事故や内戦による殺戮の記憶がしみついたものです。ほかにもいくつかのプロジェクトを同時進行しながら、おそらく未来に残して伝えておくべき痕跡、もしくは記憶を伝えることのできるものが写真であると信じて、世界中を旅していらっしゃいます。一昨日カリーさんはアムステルダムから日本へ来られました。乗った飛行機には日本人以外は自分だけだったと言われていました。いま日本に向かう外国人は極端に少ないようです。そうしたなか、あえて日本に、それもこの長崎で話をするために来てくれました。彼の行動そのものが、今の時代の芸術活動だと思います。山本正興さんも、山本さんではないとできない問いかけから、聞くひとに新たな視点を提示しつつ、カリーさんの作品の読み方を深くすることができました。ほんとうにありがとうございました。かつて山本さんが制作にあたった東松照明先生の生と死の狭間に立って写す写真家としてのスタンスと、カリーさんのような過去と現在を記憶で結びつけるスタンスの違い。五島の教会の風景が美しく見えるのは、そこに迫害の歴史の記憶とともにしみついた地霊ののようなものを感じとることができるからではないか。そしてカリーさんもそのような悲劇に染められた地霊をどこかで感じとるシャーマニスティックな素養が写真をただならぬものへと昇華しているのではないかということ。そのほかにも多くの示唆に富む提案と指摘が、カリーさんの仕事をよりわかりやすく、より的確な理解へと導いたのではないかと思います。とても有意義なイベントであったと思います。このイベントに関わっていただいた多くの方々に心から感謝します。ありがとうございました。
カフェ豆では、カリー・マルケリンク写真展を5月いっぱいまで開催中です。また、今回は展示作品を通常の10分の1の価格で販売し、東日本大震災義援金として日本赤十字社を通じて寄付させていただきます。作品は1枚25000円〜。また写真集も店内にて販売中です。
 
さて、カフェ豆ちゃんはアート作品の企画展示とともに、こうした意義深いトークセッションや楽しい音楽ライブまで、いろんなイベントを開催してきました。これからもカフェ豆ならではのイベントを企画していきたいと思っています。でも基本はなんといってもカフェです。みなさんの日常のちょっとした場面の一部になれればと思っています。買い物帰りのちょっとひと休みとか、おともだちとのおしゃべり、仕事の打ち合せ、たまにはひとりでゆっくり読書をしたい、そんな何気ない日常の一コマをカフェ豆の空間で過ごしていただければ嬉しいです。これまでも多くのお客様に来ていただいて、いろんな方と知り合うことができましたし、お客様のあいだにもたくさんの出会いがありました。ギャラリーとしての経験も増えまして、とくにアートや音楽をつうじて、新たな展開もありました。もちろんこれからも長崎を起点とした素敵な芸術の交差点として機能していくことができればと思っています。これからもどうか日常のカフェ豆ちゃんをどうかよろしくお願いします。
 


5月1日(日)午後3:00から、毎回大好評の「昼ジャズ!!」です。柴田健一(トロンボーン)、松本絢子(ピアノ)、赤松貴文(ベース)のジャズトリオ演奏が無料で楽しめる40分。前回はアンコールでカホンが加わり、また一段と素晴らしいライブとなりました。毎回いろんな趣向を凝らしての演奏はほんとに楽しみです。飲み物代だけでライブ自体は無料です。予約不要だし、禁煙だし、昼間ですからお子様連れも大歓迎。演奏途中の入退場もOKです。とにかく気軽に本物のジャズをお楽しみください。
 

そして5月7日(土)午後6:30分はあのギターパンダの4回目のライブを開催します。これまで誰かとのカップリングでしたが、今回は最初から最後までギターパンダ一人のワンマンステージでたっぷりとお楽しみください!ただいま好評予約受付中です。料金は2500円+1ドリンクオーダーです。ビールやワインを飲みながら、底抜けに楽しく、最後はやはりグッと来てしまうギターパンダこと山川ノリヲのロックンロールを是非ご堪能ください!
 

その翌日の5月8日(日)はNBC別館にて東日本大震災チャリティアクトにてカフェ豆も出店します。これは昼ジャズ!!のシバケンさんと元ピチカートファイブのリーダー高並慶太郎さんが中心となって開催される東日本大震災のチャリティイベントです。地元のプロミュージシャンからアマチュアバンドまで多彩なステージと、いろんなお店やワークショップが開かれる楽しいイベントです。NBCさんも、このときではなければ見ることのできない貴重な昔の長崎の映像を公開します。そしてカフェ豆も、これまで外に出したことのなかった「悪魔のティラミス」をはじめ、手づくりパウンドケーキやスペシャティーコーヒーの販売を通じてその収益金を募金させていただこうと思っています。みなさん気軽に遊びに来てくださいね。
 

それからそれから、5月14日(土)は「昼クラシック」を開催します。昼ジャズのクラシック版と考えてください。OMURA室内合奏団の全面的なご協力のもと、ついに実現したクラシックの無料ライブです。藤木修爾(ヴァイオリン)と山田芳美(クラリネット)のお二人のライブ演奏となります。もちろん昼ジャズと同じようにライブは無料、予約不要、禁煙、お子様連れ大歓迎。クラシックの演奏を手の届くような距離でお楽しみいただけます。こちらも是非お気軽にお出かけくださいね〜!