さてとっ!

さてとっ!
震災から3週間。あまりの事態ではあるけれども、いつまでも臥せってばかりいてはどうにもなりません。直接的な被害がない地域でも、やはりいろんなことがあるだろうし、予想以上にメンタルな部分のダメージは大きいようです。でも、もうここから始めるしかない。それぞれの立場で頑張るしかない。頑張らなくていいなんて言ってられない。日本中が頑張らないとどうにもならない状況になってしまいました。物理的に徹底的に破壊された被災地にとっては、メンタルなことがどうとか言ってる場合でもないのでしょうが、日本中がそれぞれの立場で元気をとりもどしていけるように、みんなで頑張るほかないと思っています。
カフェ豆ちゃんで何ができるのか。そんなことも考えつつ、とりあえず元気にお店をやるっていうのが基本だろうと思いました。
今日から新年度。長崎の街のあちこちで着慣れない真新しい黒いスーツを羽織った若者が、ぞろぞろと歩いていました。こんな時代の、そしてこんな大変な時のたいへんな国で、社会人としての第一歩を踏み出す若者の心の中はどんなだろうなどと考えながら、そして街を行き交う選挙カーの遊説の声がどんなふうに聞こえているんだろうと考えながら、ちょっとかわいそうだなと思いつつ、でもここから始めるしかないんだよな、あとから考えれば、もしかしたらあれはあれで良かったと思える時代が来るかもしれないよ、などとひとりでつぶやいたりして。
 
もういちど
さてとっ!
カフェ豆ちゃんも新しい一歩を踏み出そうと思います。とはいえ、まったく新しい何かをするというのではなくて、進化かどうかはわからないが常に変化するカフェ豆ちゃんは、これからもいろんなイベントを画策しています。


まずは先日からお知らせしています「昼ジャズ!!」は4月18日(日)午後3:00から、新しくトリオのメンバーでスタートします。もちろん長崎きってのジャズトロンボーン奏者であるシバケンこと柴田健一さんを中心に、ピアノの松本絢子さん、ベースの赤松貴文くんのジャズトリオでお送りいたします。いつものようにドリンク代のみで楽しめる本格ジャズライブ。カフェ豆ならでの素敵な企画は、これからも続きます。
そして、なんと「昼ジャズ!!」に続いて「昼クラ!!」がスタートします。キャバクラじゃありません「昼クラ!!」です。文字通りお昼のクラシックライブです。詳細は後日!お楽しみに!!
5月7日(土)は、またまたやってくるギターパンダライブ!カフェ豆のライブはこれで4度目です。またあの超元気なロックンローラーギターパンダ」こと山川ノリヲがやってくるのです。ギターパンダといっしょにみんなで元気になって、東北のみなさんを応援しよう!これも詳細は後日!
と、その前に、4月24日(日)に、カフェ豆ですごいトークセッションを開催します。世界的に著名なオランダの写真家「カリー・マルケリンク」と、日本を代表するドキュメンタリー作家、われらが山本正興さんのトークセッションが急遽決定しました!カリー・マルケリンクさんは、この日に合わせてオランダからやって来てくれます。カリー・マルケリンクさんは、チェルノブイリコソボサラエボ、広島、そして長崎といった人類の歴史的悲劇の起こった世界中の場所を撮影してきました。悲劇の上に上書きされてきた街の様子を徹底的に捉えてきました。カフェ豆の次の企画展は、このカリー・マルケリンク写真展を開催します。急に決定したので、まだ開催日も未定ですが、とにかく近日中にオランダから写真が送ってきますので、準備ができ次第開催します。そしてカリーさん本人が4月24日にカフェ豆で、人類が行なってきたことの意味を、写真を通して投げかけていきます。彼は数年前にも長崎に来て、原爆落下中心地を中心に長崎のまちを撮った一連の作品集を発行しました。残念ながら、このものすごい意義のある作品集が、とうの長崎で発表される機会がなかったのです。先日、なんとか長崎でカリー・マルケリンクの仕事を紹介したいという東京のキュレーターさんと知り合う事になり、一も二もなくカフェ豆でやりましょう!ということになりました。そしてカリーさんひとりが話をするのではなく、せっかく長崎で長崎についての作品を語るのであれば、長崎の人とともに話をしていただくのがいいと思いました。そしていちばんふさわしいのはこの人しかいないとカフェ豆店主は思いました。それがテレビ長崎取締役編成局長であり、数々のドキュメンタリー作品が世界的な賞を獲得している山本正興さんです。ただ急な事であるし、この日はなんと長崎市長選挙の投票日。あ〜、こりゃどう考えても無理だなと思いました。長崎市長選挙の投票日にテレビ番組のトップに来てもらえるわけないと。でもほかにこれほどふさわしい人もいないと思い、ほんとにダメモトでお願いしたところ、なんと!引き受けてくださいました〜(パチパチ)。ということで、4月24日(日)午後6:00スタート。写真家カリーマルケリンクとドキュメンタリー作家山本正興のギャラリートークセッションは、ドリンク付で1000円。電話予約を明日から受け付けます。定員を40名とさせていただきます。電話予約の先着順です。ほんとだったら美術館のホールがいっぱいになるほどの内容ですが、今のこの時期に対応できるのがカフェ豆ちゃんのいいところです(笑)。そう、今のこの時期に、原発事故によって死の街となったチェルノブイリをつぶさに撮られた作品もあります。コソボサラエボの内戦で廃墟となった街の風景もあります。それから核実験にさらされたビキニ諸島の風景もあります。今はもうなんの痕跡もない広島や長崎の街の写真もあります。しかし、そこに目には見えないが確実に潜んでいる悲劇の記憶があるのです。カリー・マルケリンクの写真は単に人間が起こした悲劇のドキュメンタリー写真ではなく、その土地に潜む記憶を写真を通じて人々に伝えようとしています。ぜひ、ひとりでも多くの方に彼の作品を見て考えていただきたいと思います。そして時間の許すかたは、ぜひ彼が直接かたる作品のこと、世界のこと、人間のことを聞いていただきたいと思います。そしてもういちど私たちがそれぞれに長崎で暮らしていることの意味を考えるきっかけとなればいいなと思います。今、いそいで告知用のチラシやポスターを制作中です。写真展はできるだけ近日中にスタートしたいと思っています。トークセッション参加希望の方は、電話予約をお早めにお願いします。明日4月2日から受け付けます。
カリー・マルケリンク氏についてはここ↓
http://www.eu-japanfest.org/program/15/art_cary.html
それからここ↓でカリーさんの作品を見ることができます。
http://www.carymarkerink.nl/index.cfm?PAGE=memorytracescm
 
ということで、4月も5月ももりだくさん、そして怖いくらいタイムリーな企画展やイベントがもりだくさんのカフェ豆ちゃんをどうかよろしくお願いします!
 
おっと、忘れてた。先週、長崎県美術館で開催した「骰展」には多くのお客様に来ていただきました。そして会場に設けました東日本大震災のための募金箱に、心のこもった募金をいただき、ほんとうにありがとうございました。また、作品の一部を購入していただき、その売上金の全額を東日本大震災義援金として送らせていただきました。

来週は、福岡市美術館でふたたび「骰展」を開催します。4月5日(火)〜4月10日(日)までです。福岡近辺にお住まいのみなさん。よかったら覗いてみてやってください。
ちなみに私の作品を1点だけここで紹介しますね↓

これヨコ幅が125cmあるカラープリントです。今回はこのシリーズを5点展示します。
 
はい、ということで、春だというのになんとも重苦しい年になってしまいましたが、とにかく頑張るしかない。でもこれは日本に住む人間の大きな価値転換のときになるんじゃないかと、そしてなんとしても変えていかなければならないんじゃないかと思います。それは単に原子力開発のことだとか防災対策といったレベルではなく、人としてその土地に生活することの意味だとか、価値だとか、そんなところから見直し、反省し、実行していくことの契機となってほしいと願うばかりです。それにしても今はとにかく元気をだすしかない。みんなで元気がでるような世界にしていけたらと思います。