読書するカフェ

連日とんでもなく忙しいのは店主ばかりで、カフェ豆には静かな時間が流れています。このあいだからカフェ豆のカウンターには本が並んでいて、とても読みやすい感じになっています。そのせいか、おひとりで来られるお客様は、カウンターで読書というかたちが増えているようです。カフェ豆は長居できるお店なので、どうぞ遠慮なく読書をお楽しみください。とはいっても、置いてある本は多少というか、かなり偏っていますので(笑)、もちろんご自分の本を持ってきて読んでもらって大いに結構です。もともとカフェというのはコーヒーブレイクはもちろん、食事をしたり、おしゃべりしたり、お酒を飲んだり、読書をしたり、手紙を書いたり、勉強したり、音楽を聴いたり、とくにカフェ豆では美術作品を鑑賞したりと、生活の様々なシーンに密着したところです。「とりあえずカフェ」というのが日本人にはまだなじみが薄いですが、ここカフェ豆では、さまざまな用途で利用されるお客様が増えてきました。ギャラリーの展示やライブだけではなくて、パーティや会議の場としてもけっこう使っていただいていますし、貸し切りでの発表会なども増えてきました。きのうは演劇の会場として使えないかとの問合せもあったりして、だんだんカフェ豆の間口を理解していただけてきたのかなとうれしくなりました。決してなんでもありではありませんが、文化的なイベント企画などは、積極的に対応させていただいています。いろいろと相談に乗りますので、お気軽に声をかけてください。
 

え〜、24日からKTNギャラリーで始まるわたくしの美術展、題して「吉田隆美術作品展」(まんまのタイトル!)。どうも自分のこととなると恥ずかしさが先に立って、なかなか宣伝しづらいのですが、そうも言っておれないので、これからしばらくはしつこい!と言われるくらいお知らせさせていただきます。「え?なんでカフェ豆の主人が美術作品展なの?」とびっくりもしくは不振に思われる方もいらっしゃるでしょう(笑)。じつは私、職業はデザイナーなのですが、もともとは美術をやってた人間でありまして、その昔、高校の美術教師なんぞも8年間ばかりやってたこともあります。で、大学は美術科の油絵専攻。とはいっても卒業制作では油絵の具は使いませんでした。っていうか30年前でさえ、もはや油絵って骨董品みたいな感覚でしたから、油絵専攻の私が油絵の具を使わない卒業制作を発表しても、当時の教授はまったく気にしていませんでした。あのころ、つまり30年以上も前のことですが、私は一般的にいうところの現代美術というものにはまっておりまして、素材や手法にとらわれない表現こそが今の時代の価値をつくるのだと粋がっておりました。若いですね(笑)。いや、若い時はそれはそれで意味のあることだったと思います。でも素材や手法に囚われないことに囚われてしまっている作家の作品は、一見おもしろそうで、じつは中身のない作品が多いことに気づくようになります。いわゆる現代美術かぶれってやつです。ほかの世界にもいますよね「◯◯かぶれ」。本人だけその気になって、じつは単なるうわべだけの何かのコピーということ。そういう意味では油絵の具だろうと日本画の岩絵の具だろうと、テンペラの卵の絵の具だろうと、大切なのは本人の表現がどうなのかってことなわけで、その表現にいちばんふさわしい素材を使ってるかどうかの問題なんですよね。ま、こまかいことはさておき、そんなカフェ豆店主、というかむしろ美術教師だったりデザイナーである私がなんでカフェの店主なのかのほうが不思議なことですよね(笑)。自分でも不思議です(大笑)。ということで、私が自分の個展をやるのは、自分的にはごくふつうのことなのです。どっちかっつうとカフェやってるほうが不自然なんですね。そして、今回の個展は、自分にとってもかなり総決算的なもので、つまり音楽でいうとベストアルバムをライブでやっちゃうみたいな感じですね。それから今回の個展はKTN郷土作家支援事業ということで、ギャラリーの所有者であるテレビ局のKTN様が主催してくださいます。おまけにテレビスポットでの紹介や情報番組内でも紹介してくださいます。おそらく新聞やタウン誌も載せてくれるでしょう。ありがたいことです。