骰展 ただいま開催中

長崎県美術館で開催中の「骰展」。カフェ豆店主こと吉田隆の作品をご紹介します。今回は田中拓也君との音とともにつくられた作品で、写真だけでは紹介したことにならないのですが、とりあえずどんな感じかと言いますとこんな感じです。↓

この薄暗い空間の床に浮かび上がる赤とオレンジのフラクタルな流線型。全体に抽象的ないくつかの音が波のように移動しながら、ときおり人間のしゃべり声が空中の二つのスピーカーから交互に聞こえます。何を言っているのかはほとんど不明。

いちばん端から見るとこんな感じ。もちろん一つの流線型の色面はみな同じ大きさの同じ形。それが赤とオレンジのふたつの大きな流線型を形づくり、部分的に重なりを見せています。その上につり下げられた裸のスピーカーから互いに向かって声が発せられています。じつはこれバラクフセインオバマ大統領の就任演説とアルカイダのオサマ・ヴィン・ラディンの演説の音声を加工したもの。お互いに声は出すが交わらない会話。いや会話とは言えず、これは互いの一方的な主張。
床に配置された色面を近くで見るとこんな感じ。↓

ピンクとオレンジの蛍光塗料で塗られた流線型の色面はブラックライトに照らされて、それぞれ赤と黄色に輝きます。光って見えるので、その色面の距離感がつかめず、しがらく見つめていると目眩さえしてきます。横から近寄ってみる見るとこんな感じ↓

そしていちばん奥から入り口の方向を見ると↓

入り口にはiMacが一台設置してあって、画面にはこの作品のコンセプトをスライドショーで見ることができます。↓

まあ、いちおう見た感じはこういうふうですが、これは実際に会場で体験しないとわからない作品です。音も光も日常性から離れていますから、ただ理屈を映像化したものでもありません。その音と光の空間の中で何かをそれぞれに感じていただきたいと思います。話をしだすときりがないのでここではやめときますが、詳しいことに興味のある方は個人ブログ「黒糖庵」のほうに書いていこうと思っていますのでそちらをご覧ください。↓
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