野島泉里彫刻展 五日目です。

今日は朝から野島夫妻がお店に見えました。そして作品の木の土台数点を黒御影石に交換しました。木の土台はそれはそれで良かったのですが、黒御影石にすると作品自体がキリッと引き締まって見えます。さらにその土台には作家のサインも彫ってあります。
さて五日目の今日ご紹介する作品は『砂漠の風』黄色い大理石でできています。

『砂漠の風』大理石 300×300×350mm \300,000

球体を何度かざっくりとえぐったようなフォルム。タイトルを読んでから、それが常に形を変えていく砂漠の風紋のイメージに近いのかなと思いましたが、それほど移りゆく形のはかなさを感じるような作品ではないようです。むしろそのどっしりとした量感が目に飛び込んできます。で、気づいたのが野島氏の彫刻はがっしりと地面に着地しているものよりも、ふわりと浮き上がろうとしているものが多いのではないかと思いました。みんながみんなそうではないのですが、地面との接点が少ない、しかし浮遊ではなく、しっかりと安定して浮き上がるイメージがあります。きのう話に出た『有明海に浮かぶ月』はそのまま象徴的です。空中にあってなお厳然として動かしがたいもの。もしかしたら野島氏はそうしたリアリティそのものを求めているのかもしれないなと思いました。もちろんこれも私の勝手な想像ですから、まったく見当違いなのかもしれませんけどね。