Sing, Harlem, Sing!

精力的に仕事をかたづけていきながら、なんとか時間を見つけて行ってきました。
NYハーレム・ゴスペルシンガーズのSing, Harlem, Sing!
http://www.tnc.co.jp/harlem/index.html
すごいですね〜。前から10列目のほぼ中央。地の底から天上へわき上がる渾身の叫び。クワイアによるゴスペルはこれまでも何度か聴いたことはありましたが、夕べはまざまざと本物を見せつけられたという感じです。やられましね〜。なんでしょうね、ゴスペルという力技(笑)。いえ、いい意味でいう力技。もう理屈も何もふっとんでしまうほどの説得力と感動。力の限りをふりしぼって神を讃える姿に感動してしまうのでしょう。ステージの幕が開けて、いきなりパワー全開のクワイア大合唱。2曲目で涙があふれそうになって、「こりゃやばいぞ」と思いましたよ。あのまま2時間ゴスペルを聴かされ続けたらどんだけ涙を流したかわかりません。2曲が終わったところでアポロシアターを舞台にハーレムから誕生したスーパースターたちの超ヒット曲をつぎつぎと歌っていきます。ちょっとホッとしました。チャックベリー、アレサ・フランクリンマーヴィン・ゲイダイアナ・ロス……そのすごい歌唱力と本物の独特のカッコ良さに感心しながら、ラストの30分がふたたび怒濤のゴスペル大合唱。いや〜まいったまいった(笑)。すばらしく完成されたショーを堪能させていただきました。第二次大戦後のニューヨーク、マフィア暗躍、ケネディ暗殺、マルコムXキング牧師アメリカの戦後史とともに時代を飾ってきたジャズ、R&B、R&Rからヒップホップムーブメントまで、そこにはハーレムから世界の音楽シーンに躍り出たミュージシャンの存在なしには語れません。そしてその根底には幼い頃から教会に通い身につけた神を慕うゴスペルの精神があるのだと思いました。たとえそれがショービジネスとして組み込まれるために、さまざまな制限があってのものだとしても、夕べはアメリカの良心を見せられた思いでした。