2008年1月のギャルリーコクトー

今日は日曜日。開店と同時にずう〜っとお客様が途切れずに夕方まで。夜に少しとぎれたすきにブログを書いてと。静かなカフェ豆はお客様も静かにそれぞれの時間を楽しんでいらっしゃいます。できるだけ自由にくつろいでいただけるように、私も静かにしています。曲も静かな曲を選んでいます。前にも書いたかもしれませんが、カフェ豆にひとりで来られる女性のお客様は、とりわけ美しい方が多いんです。もちろん全員とは言いませんが(笑)、その、精神的に美しいというのではなくて、まあかなりの割合でビジュアル的にもしっかりした美形の女性のお客様がたくさんいらっしゃいます。「不思議だねえ」と妻と言い合ってます。いやほんと不思議です。

さて、12月のイベントを成功裡に終えることができたカフェ豆は、もう来年の企画展のことで頭がいっぱいです。ではご紹介しましょう。2008年の初頭を飾るギャルリーコクトーの企画展は「マーサ野島作品展」です。

マーサ野島さんは知る人ぞ知る筋金入りの女性彫刻家です。去年、骰展でいっしょに展示させていただきました。現在、島原在住の彼女は以前母国のアメリカで活躍していたアーチストで、アメリカではイサム・ノグチといっしょに展覧会を開催したり、その活躍の場は世界各地にわたります。また深い精神性に支えられた作品のクオリティは、やはりただごとではありません。ちなみに、主な作品の履歴をご紹介しますね。
1978年 「自分への手紙」(コーヒーグラインダーギャラリー アイダホ)/1986年 ウエスタンステイト現代美術展・マーサへブンストン展(ハリウッドアートギャラリー)/1987年 サンデイエゴの彫刻家(テオワナ カルチュアル アートセンター)/1995年 「発見」ステイーブンブロードフォード、マーサへブンストン、ジョンミッシェル鉄の彫刻展(コーランアートセンター)/ムーブメントの探求 粘土における女性の視点(ウィグナル美術館)/1996年 「アンダー ザ スキン」マーサへブンストン展((ジョン ナットラス ギャラリー デイビス カリフォルニア)/「パノラミックビジョン」(フリンジクラブ 香港)/1997年 「人体」オークランド美術館「芸術は運命を変える」(グランアルシェパリ)/1998年 「シテイズン」(ソーマーギャラリー サンフランシスコ)/1999年 トルーカ現代美術館(メキシコ)/2000年 国際芸術展(大阪)/2000年 ワールドトレードセンター/2001年 「平和」(戦争美術館 ソウル)/2007年 骰展(長崎県美術館

夫でやはり彫刻家の野島泉里君と彼女がアメリカで出会って結婚し、日本にやってきてからは自らの作品発表を封印していました。そして昨年、私たち骰展の仲間とご縁があってから、ついにその封印がとけたのです。今回の企画展も快く了解していただきました。はっきりいってすごい作品だと思います。あのいやでも自分の内面と対峙させるような深い造形性のある作品がカフェという空間に耐えられるのか、逆にそうした内省的な空間がカフェにとってふさわしいのかという課題がついてまわりました。確かにあの圧倒的な立体作品がカフェにドカンと展示されていたら、美術に興味のない人は引くかもしれません。カフェ豆の扉を開けてからすぐに閉めて帰ってしまうかもしれません(笑)。でもいいんです。カフェ豆ってそんなところなんですから。あの重い鉄の扉をよっこいしょと開けると、そこにはスポットライトに照らされた植物模様をした人体のテラコッタがゴロリと横たわっている。あるいは鉄の壁の前に鎮座している。いいねえ、いいですねえ。ある意味こんな贅沢なカフェって絶対ないです。長崎はもちろん日本にどれだけあるもんですか(笑)。だからこそたくさんの人に来ていただきたい。本物のアートを肌で感じていただきたい。ただ見るだけでなく、しっかりと椅子に座ってじっくりと向き合うこともできる空間。一歩一歩極北へと向かうカフェ豆の、新しい年のはじまりにふさわしい展示となりそうです。