鉄壁のボルテージ

今日は夕方近くから現場にずっといて、家具の構成についてあれこれ考え直していた。天井と壁がほぼ完成したので、実際の雰囲気が直に伝わってくると、今まで頭の中で考えていたものがバカみたいに思えてきた。これまでそうとうな時間を費やして家具とその配置を検討してきたのだけど、今日現場を見たらまったく違ったイメージが浮かんできた。予想外なのではなく、この内装にもっとふさわしい家具の構成を考え直さなければいけないと否応無しに迫られた。これまでもかなり考え抜いたつもりだったけど、やはり頭の中と現場とでは浮かんでくるイメージのボルテージが違うものだ。頭の中では知らないうちに一般的な当たり障りのないものにしてしまっていることに気がついた。いわゆる「普通」ってやつだ。今日の段階での現場の様子がこれ↓


床が養生してあるからベニヤ板が敷いてあって、まだイメージが湧かないけど、最終的には床はほぼ黒に近い木目になる。で、この奥の壁いっぱいに貼られた生の鉄板。もの派の作品でもドナルド・ジャッドでもリチャード・セラでもない。まさに文字通りの「鉄壁(てっぺき)」である。これとバランスのとれる家具の構成は、そんじょそこらの喫茶店並みでは話にならない。癒しとかコンフォートとやらに真っ向から戦いを挑んでいるようなものだ。厳しい、じつに厳しい壁である。鉄の錆びていく感じもいいんだけど、今の濡れたように鈍く輝く鉄もゾクゾクする。この壁に負けないような作品を展示しなければいけない。生半可な作品は吹き飛ばされる。ここからこそ本当のカフェ豆ちゃんがはじまるんだよね。さ〜て、椅子から選び直しだよ〜(笑)。