設計最終段階

内装の設計がほぼ終わり、施工のお世話をしていただくところも決まり、来週は大まかな見積もりが出るので、そこで細かい決定をしていくことになった。もうここまで来れば、とにかく内装を完成させて事務所の移転をすることが先決。その内装だけど、結局家具やライティングによっていろんなレイアウトが可能な、できるだけシンプルでそれでいて質感のはっきりした、つまり出しゃばらないけど存在感と安定感のある素材をきちんと使っていくということにした。設計や内装のプロが3人集まっていろいろ話しをしているのを横から聞いていても、専門用語のオンパレードで何のことだかさっぱりわからない。ときどき通訳してもらって「じゃあ、これはこういうことでお願いします」という決定をする。いくつかの施工法とそのメリットデメリットを要約してもらって、こちらのイメージの引く引けない部分を照らし合わせながら、きちんと積み上げていく。そうした時間はイメージがひとつひとつ現実のものになっていく実感が沸いてきて、ほんとうにワクワクする。施工にあたっては、できるだけコストがかからない方法を見つけながら、削減できたぶんだけココというところにつぎ込むという、施主のわがままをよく理解して頑張ってもらえる人だったので本当に感謝している。医者と弁護士と建築家にどれだけ我がままが言えるかで人生ずいぶん変わるんじゃないだろうかとつくづく思う。カフェ豆はただの喫茶店ではないことをよく理解していただいた上で、なんでそんな内装にするのかというコンセプトの部分を伝えることが私の役割だ。そしていろんな人の縁でうまいこといっている。
夕べは店内の天井のほぼ全面にとりつけるレール式のスポットライトの選定をしていた。ほんとうに数えきれないぐらいの種類とピンからキリまでの価格帯があった。結局ほんの一部のライトをチェックするだけで朝までかかってしまった(笑)。最終的には天井からどの部分にでも無段階の光量で自由にライティングができるように50個ほどのスポットライトを設置しようと思っている。かといってライト自体の存在感が目立ってはいけないので、これもなかなか難しい。しばらくは内装の細かいところで遊んでみよう。

カフェ豆ミュージックNo.15はボブ・マーリー

レジェンド [DVD]

レジェンド [DVD]

アンビエントと一部のジャズとクラシック。そしてほんの一部のロック。カフェ豆で漂う音楽はだいたいそんなところを基本に、ときどきサプライズな音を入れてみるのも新鮮だったりする。まあ、ジャンル分けをすればこういうことになるのだけど、結局ジャンルなんか関係なく自分がそのときに聴きたいと思う音を漂わせるということだ。これは音だけではなくライティングもそうだし、テーブルの素材感や椅子の座り心地や壁のテクスチュアや、おそらく自然と漂うことになる挽きたてのコーヒー豆の香りも欠かせない。幸せな空間をかたちづくる一つひとつのエレメントがうまく調和したときに、カフェ豆の空間が生まれる。お客さんは単にコーヒを飲んで一休みすることだけではなく、この少しだけ日常から離れたここちよい空間に浸りにきてほしいと思う。だからこうしたエレメントに対してできるだけコストを集中したいがための施工コストの削減なわけだ。べつに特別変わったことをするわけではないけど、おそらくどこにもないカフェができると思う。じつはカフェ豆の全貌が明らかになるのはまだまだこれからだ。