高い豆はうまい…やっぱり

おいしい豆のコーヒーを飲み始めると、おいしくないコーヒーを飲む気がしなくなるのはあたりまえかもしれないけど、ふつうそこまでこだわってコーヒーを選んでいる人がどれくらいいるんだろう。うちの近所のスタバにはあいかわらずたくさんのお客さんが入っている。以前とはあきらかに味が落ちているのに、べつに構わないんだろうなあ。今、事務所で飲んでいるスペシャルティコーヒーも値段はピンキリで、最初はどれを飲んでも「うまい!」と思っていたのが、このごろは少し味がわかってきたのか、やっぱり高い豆は高いだけのことはあるなあと思うようになった。やはりカップ・オブ・エクセレンスの豆は違う。値段も普通の豆の2倍から3倍するけど、これを一旦飲みだすと普通のが味気なく感じてしまう。豆をグラインダーで挽いたときの、すばらしい香りも、やはり高い豆は全然違うってこともわかってきた。これだけ違ったら倍のお金を出しても飲みたくなる。ミルクのスチームもずいぶんうまくなったと思う。きめの細かいクリーミーな泡は、最初のひとくちの幸福感が違う。ヘーゼル・ナッツ・シロップは最初からコーヒーに混ぜ込むのではなくて、ミルクの泡の上に垂らした方が、甘い香りが「しあわせだな〜」と身体全体をゆるませてくれる。やっぱりコーヒーってすごい。世界中に広まった理由はこれなんだろうなあと思う。そろそろ香りで産地がわかるくらいになれるといいなあ…まだまだだな(笑)
問題は、少々高くてもいいから美味いコーヒーを飲みたいと思ってくれるようにしないといけない。ラーメン屋とちがって、カフェはコーヒーがうまけりゃいいってもんでもない。コーヒーも含めてこの空間にいたいと思ってもらう。そして夜はスピリッツを味わってもらうにふさわしい空間づくり。そろそろ現実離れした極北のカフェから少しづつ南下して、現実問題をクリアしていく方向に進んでいこうかな。いまけっこう悩んでいるのがテーブルの形態について。最初は普通にカウンターとテーブル席があるものを考えていたのだけど、それじゃおもしろくない。広いけどカウンターだけとか、広いけどテーブルがぽつりぽつりなだけとか、いっそおしゃれなスタンディングとか。スタンディングも一杯飲み屋みたいじゃなくて、立ってでもいたくなるような空間という意味。今はやたら広いカウンターテーブルだけの空間がいいかもと思っている。たとえば20坪の天井の高い空間に奥行き1.2m、長さ8mの天板に椅子が10席程度だけ。それかそのカウンターに椅子を置かずに、スタンディングでたくさんの人がエスプレッソを一気飲みするようなお店になると、けっこう儲かる…いかんいかん、今の時点で儲かる方向を考えちゃいかんですな(笑)。でもたくさんお客さんが来れば高くておいしい豆を安くで飲めるんだけどな。回転が悪いとあんまりいい豆もが出せないか価格を高くしか出せなくなる。う〜ん、ちょっと現実的なことを考えるとすぐに壁にぶちあたる。ま、それも楽しいんだけどね。ぼちぼち楽しんでやりましょう。やっぱりゆっくり本を読んだり、音楽を聴いたり、居眠りができるような空間がいいなあ。