意外な展開

前にも書いたけど、「カフェやるぞ」と思い立ったら、ほんとにいろんなことが動き出した。毎日いろんなことがあって、そのたびに計画がぐらぐらと変わる。ま、まだ計画だからいくらでも変わっていいのだけども、ほんと不思議なものである。昨日までまさかと思っていたことが、なるほどこっちがいいかもとか、ここは絶対ゆずれないよねと思っていたことが、いとも簡単にひっくりかえる。でもそうやってだんだん自分が本当のところ何を望んでいたのかというのがわかってくる。これは単に夢見ているだけではなくて、現実にやるということを前提にすると、事態が現実となって動いてくるのだ。これは新たな発見である。「こうなるといいなあ」と思っていることと「よし、こうしよう」と思うことは、同じ思うにしてもものごとの動き方が確実に違うのだ。そう、これが「ものごと」というものだろう。私は実際にカフェをやることよりも、そうしたプロセスのなかで「ものごと」を確認することをしたかったのかもしれない。しかしそうやってできるカフェというのは、そうとう面白いのではないかと思う。もしこれが正解であれば本当にカフェは出来上がるだろう。私が考えてつくるのではなく、できるべくしてできたものがカフェだったというのが理想だ。教会と美術館のようなカフェ。それは平和と文化のメタファーともいえる。おっと、そこまで大それたことは考えちゃいないけど、何にもないけどそこに居たくなるような場所というのが理想のカフェではなかろうか。コーヒーと水と少々のお酒。ふわりとした温かな明るさの中で、夢のような時間を過ごす。絵を見る。本を読む。会話を楽しむ。静かな音楽に身を委ねる。どこか自然の森の中にあるのはあまりに似合いすぎるから、くたびれた都会の喧噪の中にひっそりとあるのがいいんじゃないか。理想のカフェを考えることを通じて、何が大切で何が足りないのかが見えてくる。それが面白い。