BGMの話

またしても夕べも眠れずに朝の4時までいろいろカフェのことを考えていた。7時前には家族で朝の散歩をする。朝はもう肌寒くて長袖のシャツが恋しくなるほどだ。さわやかで冷たい朝の風に吹かれると、寝不足の頭の中もあくびをしながら目を覚ましだす。やはり人間、夜は眠って朝日とともに起きて活動するというのがいちばん自然なんだろうと思う。
今日はBGMの話。カフェ豆ちゃんで決まっているのは、きのう話をしたコーヒーと、このBGMについてだけ。あとはいろいろ考えてはいるものの、どうしたものか迷っている。ぜんぜん焦る必要がないから、このあれこれ考えるというのが楽しい。夜のふけるのも忘れてノートにああだこうだと書き散らしていくのがまた楽しみ。そんな中ですでに決まっているBGM。何が決まっているのかというと、まずオーディオは今使っているものをそのまま使う。カフェ豆ちゃんはジャズ喫茶ではないのでJBLだマークレヴィンソンだなどと、とんでもなく高級な音にはこだわらない。かといって小さなボーズのスピーカーを天井につり下げるような野暮なことはしたくない。ということで、予算節約もあるけどBGMに関しては今持っているオーディオで十分という結論。実際いまの音はとても満足している。アンプはオンキョーのインテグラシリーズ。たしか20年前に10万円ぐらいだったと思う。一度修理に出したぐらいでいまだによく鳴ってくれる。CDプレーヤーはソニーのCVP-NS999ES。今の事務所を始めるときに買ったDVDプレーヤー。たしか14万円だった。

そしてスピーカーはついこのあいだ買ったばかりのヤマハの最高級シアタースピーカーNS-8HX。2本で18万円弱。

カフェで静かに流れる分にはこれで十分だろう。ではソフトはというと、これもすでに持ってる自前のCDやDVDで間に合わせる。ただカフェにふさわしいソースを厳選するのはもちろん。これからは経費で購入できるから気に入ったCDやDVDをコンスタントに増やしていこうと思う。カフェで流す曲の選択は特に気を遣う。特に音楽を聴くことに突出したお店にする気はないので、あくまでBGMとして質のよい空間がつくれるものという基準で選ぼうと思う。このあいだ話したペンギンカフェオーケストラはもちろん、ポジティブなアンビエントからチェリーレッドレーベルのようなUKのアンプラグドもの。サティやドビュッシーの静かなピアノやバッハの無伴奏チェロソナタヒリヤード・アンサンブルの古典合唱曲などもまぜながら、ボサノバやある種のテクノ系も含めて、あくまで静かな音楽に満たされている空間にしたい。つまりBGMに関しては完全に私の好みにかたよらせていただくということ(笑)。まちがってもジョージ・ウィンストンリチャード・クレイダーマンは鳴りませんから、そういうのが好きな人は来なくていい(笑)。それから日が暮れたらやっぱりジャズ。お店の中はかつてのジャズ喫茶みたいに薄暗くはしないけど、夜はあったかい感じの空気のなかで、やはり静かなジャズが流れているのがいいかなと思っている。フリーやクラブ系はやめとこう。決して4ビートにはこだわらないけど、夜がふけるにしたがってアコースティックな4ビートになると思う。ホーギー・カーマイケルのような昔のジャズやライトニン・ホプキンスのようなカントリー・ブルースもいいなあ。決してカントリー&ウェスタンではない。そういうのが好きな人も来なくていい(笑)ついでに来なくていい人をあげると、宝塚歌劇団劇団四季ヨン様松平健ハンカチ王子さだまさしが大好きな団塊のおばさん。この手はまわりの迷惑に気づかずでかい声で自慢話と愚痴をがなり続ける。カントリーミュージックと演歌だけが音楽と思っている人。このへんの趣味の人は他の分野を受け入れきれないからいても苦痛だろう。来るのはいいけど静かにしてほしい(笑)。それからまず来ないとは思うけど、冬でもへそを出して歩く、口呼吸しかできないバカギャル系。入り口でヤンキー座りでもされたらたまったものではない。
そういうことで、BGMが決まると自然と営業時間やメニューまで絞られてくる。つまりカフェのコンセプトはBGMを決めることで次々と明るみに出てくるという考え方でやっていきたい。おそらく自分のやりたいカフェというのはすでに決まっていて、それをどうやって具体的な形にしていくかという作業を今はしているわけだ。だから「なんでいきなりBGM?」と思われた人も多いと思うけど、これはカフェ全体のコンセプトに関わる重要なポイントだと思う。少なくともカフェ豆ちゃんではね。
では、このコーヒーとBGMから出てくるいろんなイメージをもとに内装や看板、家具やカウンターの材質がどんなものなのかを考えていこう。ああ、また今夜も眠れないよ(笑)。