黒帯物語

今日は息子の少林寺拳法の昇段試験に連れて行くことになったので、とりあえずそのへんにあった文庫本をポケットに入れて出かけました。息子が試験を受けているあいだ、会場の外で時間つぶしをしなければならなかったからです。で、そのへんにあった文庫本とは田口ランディの「オカルト」でした。前にも書いたことがあるのですが、私は村上春樹以外の小説を読むことができません。何を読んでも最初の数ページでいやになってしまうのです。「坂本竜馬」だって脱藩するあたりで断念しました(笑)。なぜかわかりませんがまわりくどい「物語」に肌が合わないのかもしれません。単刀直入に結論から言ってもらわないと耐えられないのかもしれません。もしくは一行だけでも言葉としての魅力を発してなければ次の行を読む気が失せるのかもしれません。村上春樹の文章はストーリー以前に文章そのものが魅力にあふれています。そしてわかりやすい。空気とか時間を伝えるために言葉を紡いでいる感じが、すばらしい音楽を聴いているような感覚で世界が広がっていくからだと思います。もちろん村上春樹以外の小説が悪いわけではありません。悪いのは私の超ズボラな小説眼なのだとわかっています。で、そんな私が村上春樹以外の小説で「ひょっとしたら読めるかもしれない」と思って買っておいたのが、この田口ランディの「オカルト」でして。でもずいぶん前に買っただけでほっぱらかしていました。ほっぱらかしていたのは他にも「富士山」や「アンテナ」そして「キュア」の上巻。みんな買うだけ買って読んでません(笑)。今日そんなこんなでいやでもじっとしていないといけない時間ができたので、とりあえず「オカルト」のページを開いたら、読める読める、面白い。田口ランディ本人に関しては盗作だなんだといろいろと批判もされているようですが、それ以前にこの私が読み進めることができたのがビックリでした。破天荒に病んだ感じが、他のまわりくどい小説とちがって意外にもすっと読めたのかもしれません。あっという間に読んだところで息子の試験が終了し、息子は黒帯を手に入れました。めでたしめでたし。
 

谷本光ライブ。おかげさまではやくも22名の予約をいただきました。あと18名様です。このブログでしかお知らせしていませんから、今日明日で締め切りにはならないと思いますが、やはりお早めのご予約がよろしいかと思いますです。ご予約はお電話1本でOK!電話095-825-4455カフェ豆ちゃんまで。
 
今日のBGM

カルテット

カルテット

じつはパットメセニーグループを聴いたことがありません。パットメセニーファンの人にとっては信じられない話かも知れませんが、でもチャーリー・ヘイデンジム・ホールやこのブラッド・メルドーとのアルバムは持っています。パットがギターを弾いているマイケル・ブレッカージョニ・ミッチェルのDVDも持っているのですが、なぜか数あるパットメセニーグループのアルバムは持っていないどころか、一度も聴いたことがないのです。不思議なものです。というわけで(というわけでもないですが(笑))今日のBGMは今頃マイブームのこのブラッド・メルドーとのアルバム。かゆいところにビシッと手が届く演奏です。文句なし!