次は田中奈都美作品展!

さてさて、2月10日(日)まで開催中のマーサ野島作品展ですが、そのあとの2月から3月にかけての企画展の紹介をひと足先にしちゃいましょう。

田中奈都美作品展「イラストレーション」です。田中奈都美さんは、長崎在住の普通に働く女性です。プロの作家ではありませんし、華々しい賞歴なども特にあるわけではありません。知ってる人は知ってるけど、知らない人は全然知らないでしょう(あたりまえですが)。で、私はずっと前から田中奈都美さん(普段はなつみちゃんと呼んでますが)の作品には目をつけてたのです。彼女の作品は油彩だったり墨絵だったり鉛筆のドローイングだったりします。芸術としての重いテーマがあるわけではなく、自分の感覚にまかせて絵をつくります。しかしそのツボの抑えどころが凄い。で、私の企画で展示をさせてくれとお願いしました。なつみちゃんはすぐさま快諾してくれました。ただ単に作品を並べるだけではギャルリーコクトーではありません。今回はなつみちゃんの作品をいろいろ見せてもらって、作品のひとつの傾向のものからあるテーマをつくることにしました。そこから見えてきたものが「イラストレーション」です。奈都美ちゃんはイラストを描いてる意識はありません。私がこれらの作品を「イラストレーション」という考え方で括ったのです。イラストというと「挿絵」とか「説明のための図」みたいな軽い印象がつきまといますが、今回の「イラストレーション」はそうではなくて、イレストレーションの歴史を掘り下げるまでもなく、すでにひとつの表現として確立された現代のイラストレーションという意味です。彼女の作品を少しだけ紹介します。

モジリアーニではありませんよ〜(笑)。私はこの何と言うか「寸止めの美学」とでも言いましょうか、ここで筆を置く彼女の凄い感覚に参りましたよ。

これはまさしくイラストレーション。それも日本の伝統的な幾何学文様をこれまた寸止めにした心憎いイラストレーションです。

和でもあり洋でもある不思議な彼女の作品は、ちょっと物足りなさを感じるぎりぎりのところでの緊張感があります。そのなんとも言えない絶妙な感覚を意識しているのかしていないのかさえわかりません。でもそこが彼女の絵の魅力なのだと思います。作品はもっともっとあります。見てのとおりとっても楽しくそして安らぎを感じる作品ばかりです。会期中はこれらの作品の絵はがきも販売します。もちろんここだけのオリジナル超レアもの絵はがきとなります。お楽しみに!