路地裏の散歩者


突然ですが、今日から、そう今日からカフェ豆内のギャラリーであるギャルリーコクトーでは、「路地裏の散歩者 マルモトイヅミ イラストレーション展」が始まりました。もう前から決まっていて準備をして来たのですが、カフェ豆店主の手が回らなくて、事前のお知らせができずじまいになっていました。で、なんとか初日に告知ができる状態にこぎつけたところです。長崎では数少ない漫画家であるマルモトイヅミさんが、これまで描きためていたイラスト「路地裏シリーズ」を一挙公開です。それも一枚ずつにコメントもあります。いまではもうなくなってしまった長崎の路地裏もあります。もちろんまだカタチが残っている路地裏もあります。そんな長崎独特の路地裏の魅力を素敵なイラストで表現しています。今回は特別にこのカフェ豆のある東古川町の通りも新たに描いてもらいました。一つひとつじっくり見ていただきたいと思います。というか、思わず見入ってしまうイラストたちです。今日から11月14日(日)までの開催です。
ちなみにマルモトイヅミさんご本人の書いたコメントとプロフィールを紹介しますね。
 
【はじめに】
「路地とか裏通りとか、田舎のうらぶれた風景とかを、好んで描いた時期がある。
 何年かたってその場所に行ってみると、面影もなく変わってしまったものやら、ちょっとだけ変わったのやら、以前とまったく変わらないものやらいろいろあって、それぞれに感慨ぶかい。
 時間は流れるものだという人もいるし、積み重なるものだという人もいる。きっとどっちも正しいんだろう。川だって、早い流れのところもあれば、澱んで木の葉がつみ重なった場所もあるではないか。
 古いものが消えていくのは仕方ない。誰だってせっかくなら新しいキレイな家に住みたいし、移動も早くて快適にやりたい。「それが趣があってよいのだ」なんて言われても、そこに住んでる人にとっては、ただの不便でしかないこともあるだろう。
 でも、その不便と長年つきあった工夫のあとやら努力のあとやらが、じつは何ともいえない味わいとして、そこに存在していることも確かなのだ。
 あらためて数年前の自分のイラストを前に、気持ちはいささか複雑だが、実際のところ、これは描いておいて本当によかったと思っている。
 今回、新作として、この「カフェ豆ちゃん」がある東古川町のイラストを描き下ろした。じつはこの通り、昔から大のお気に入りだったのに、どういうわけか今日に至るまで、ここを描くという発想がまったくなかった。じつに不思議なことですな。」
 
【プロフィール】
 長崎在住のウレナイ漫画家。 1992年に秋田書店の少女雑誌にてデビューし、ストーリー漫画を数十作ほど発表。現在は科学の本の挿絵や、絵はがき、紙芝居の原画など、ジャンルを問わないイラストレーターとして活動している。趣味はマチ歩きと映画鑑賞。

 また今年の春から、長崎在住のプロ漫画家による「ニアメモーロ」というプロジェクトを結成。被爆者の体験を漫画化することにより、次世代への継承につなげようという試みで、ただいま協力者を募集しています。

【近年のおもな作品】
「長崎游学マップ1・原爆被災地跡に平和を学ぶ」
     (長崎文献社・2004)※表紙イラスト・マップ等

「長崎游学マップ3・長崎丸山に花街風流」
     (長崎文献社・2007) ※表紙イラスト

「長崎游学マップ4・軍艦島は生きている!」
     (長崎文献社・2010) ※表紙イラスト・カット


「科学で防災&サバイバル大百科(1)」
「科学で防災&サバイバル大百科(2)」
     (夏緑 著・童心社・2007) ※イラスト・マンガ等
 

それから、今回はマルモトイヅミさんの手刷りのイラスト絵はがき(1枚150円)も販売しています。ほかのところで売っている印刷物ではなくて手刷りの版画絵はがきです。これも要チェックですな。
ということで、もうすぐ「おくんち」がはじまる長崎のまち。見物ついでに路地裏散策というのもいいかもしれません。